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特定親族特別控除

特定親族特別控除

2025.10.01

● 特定親族特別控除の創設

令和7年度の税制改正により、「特定親族特別控除」という新たな制度が導入されました。ここでは、その制度の概要と、実務において注意すべきポイントについて整理していきます。


● 特定親族特別控除額

特定親族特別控除額は、合計所得金額に応じた次の金額です。


① 58万円超85万円以下―63万円

② 85万円超90万円以下―61万円

③ 90万円超95万円以下―51万円

④ 95万円超100万円以下―41万円

⑤ 100万円超105万円以下―31万円

⑥ 105万円超110万円以下―21万円

⑦ 110万円超115万円以下―11万円

⑧ 115万円超120万円以下―6万円

⑨ 120万円超123万円以下―3万円


● 特定親族特別控除申告書

年末調整で特定親族特別控除の適用を受けるためには、新たに設けられた「特定親族特別控除申告書」(※基礎控除申告書等との兼用様式)に、対象となる特定親族の氏名および合計所得金額またはその見積額を記入し、提出する必要があります。なお、収入金額の記入欄は設けられていないため、合計所得金額またはその見積額のみを記載する点に注意が必要です。また、特定親族特別控除の対象となる親族が非居住者(国外居住親族)である場合には、申告書の提出時に、親族関係を証明する書類及び送金に関する書類の提出または提示が求められます。


● 実務上の留意点

① 夫婦共働きの場合の取り扱い

子が両親双方の特定親族に該当する場合でも、特定親族として扱えるのはどちらか一方のみとされます。


② 特定親族と配偶者控除の重複適用について

特定親族に該当する方が、他の人の配偶者控除の対象にも該当する場合は「特定親族等別控除」または「配偶者控除」のいずれかれか一方のみ適用となります。


③ 相互に特定親族となることは不可

お互いが特定親族として申告しあうような相互適用は認められていません。


④ 障害者控除との関係

特定親族が障害者に該当する場合であっても、当該親族は扶養親族ではないため、障害者控除の対象とはなりません。


● 源泉徴収簿への記載

令和7年分の源泉徴収簿には、特定親族特別控除額の専用欄が設けられていません。そのため、特定親族特別控除の適用がある場合には、年末調整欄の欄外に「特定親族特別控除額(⑰-2)等の欄を設けて記載する必要があります。なお、源泉徴収簿は法定様式ではないため、別紙に記載するなどの方法でも差支えありません。


● 源泉徴収票

特定親族特別控除の創設に伴い、当該控除の適用がある場合には、給与所得の源泉徴収票に「特定親族特別控除額等」を記載することとなります。

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